サブプライムローン問題により、2008年に連邦破産法第11条の適用を申請したリーマン・ブラザーズは、投資銀行としては最大級の経営破綻をした企業である。リーマン・ブラザーズという名前の評判が悪いといえば軽いかもしれない(映画『卑劣な僕』に登場する「悪の銀行」は「元リーマン・ブラザーズ」だった)。リーマン・ブラザーズの資産を買収したバークレイズは、「リーマン・ブラザーズ」の登録商標を失効させた。
タイガーリリーは、この放棄された名称の「悪意」に着目し、「Lehman Brothers」の商標登録をビール、スピリッツ、バーおよびレストランサービスに対して取得しようとした。同時にBarclaysは、金融サービスに関する「Lehman Brothers」の使用意向登録を申請した。両当事者はそれぞれの登録に反対した。商標審判委員会(TTAB)は、BarclayのLehman Brothersの使用と混同する可能性があるため、Tiger Lilyにはこの商標を登録する権利がないと判断し、Barclayの登録に対するTiger Lilyの異議も棄却された。
連邦巡回控訴裁はTTABを支持した。.同連邦巡回控訴裁は、Barclay'sの失効した登録は、消滅したLehman Brothersが事業を整理している間、同マークを使い続け、Barclay'sが「レガシー」研究資料に同マークを使っていたという証拠に基づき、同マークが放棄されたとまでは言えないと判示した。また、Lehman Brothersのマークに関連する「悪意」を利用して取引しようとすることが混同の可能性を低下させるという考え方を否定し、「アルコール、食品、飲料に関連して商標を使用して金融サービスを宣伝してきた企業」の証拠に注目して、混同の可能性を十分に立証したと判断した。
Barclayの登録に関して、CAFCは、Barclaysが10年以上にわたってLehman Brothersのマークから公的に距離を置くという行為によって、このマークを使用しない意図が示されたとは考えていない。連邦巡回控訴裁は、「証拠能力は高くない」と指摘し、「Barclaysは現在、登録申請で特定 された商品とサービスを提供しており、今後も提供する能力がある」こと、そして「これらの商品 とサービスはまさに、過去にこのマークが関連付けられた」種類のものであることに議論の余地はない と判断し、十分であるとした。
要約すると、2022年にリーマン・ブラザーズのサブプライムローン商品に投資するには、影響下になければならないにもかかわらず、連邦巡回控訴裁は、バークレイズにリーマン・ブラザーズの商標を登録する権利を認め、タイガーリリーの登録を阻止したということである。